中小企業診断士の難易度と合格率

ここでは、中小企業診断士試験の「難易度」や「合格率」についてお話します。

この記事にあるグラフのデータは全て下記のサイトのデータに基づきます。
中小企業診断士試験|中小企業診断協会HP

1全体を通しての難易度

(1) 試験の概要

中小企業診断士試験は、下記の通り、年に1度、夏から冬にかけ、3段階式の試験で実施されます。

  • 1段階(択一:1次)・・・8月初旬
  • 2段階(筆記:2次)・・・10月中旬
  • 3段階(口述:2次)・・・12月中旬

(2) 試験の難易度

(1) 難易度

超難 激難 やや難 普通

中小企業診断士の1次試験から2次試験までの全体を通しての難易度は、資格くらぶの中の分類では程度と分類しています。(理由は下記の通り。)

試験形式 3段階式試験である
試験実施回数 年に1度きり
試験対策 2次試験対策が難しい
合格率 最終合格率が約6%と低い
試験科目 科目数が多く、範囲も広い
合格率 1次と2次の合格率は共に約20%前後とやや高い
勉強時間 500時間~1,500時間とそれほど多くない
試験科目 深い理解は不要

なお、中小企業診断士と同じような難易度の試験には、「社労士」や「行政書士」、「ITストラテジスト」などがありますが、この中では一番簡単な方の試験でしょう。

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(3) 合格率

直近10年間の合格率の最高、最低及び平均は次の表の通りです。

最高 最低 平均
9.0%
2015年
5.3%
2012年
6.8%

試験ボリュームの多い」1次試験と、「試験対策の難しい」2次試験という2つの異なるタイプの試験から構成される中小企業診断士試験は、対策が難しく、最終合格率が低い試験となっています。

特に2次試験については、学問というより実務寄りの試験のため、勉強量よりも、試験対策が重要です。センスのある人であれば1発で抜けることもありますが、センスや運の無い人であれば何年かけても受からないといったこともありえます。

21次試験

(1) 難易度

超難 激難 やや難 普通

中小企業診断士の1次試験自体の難易度は、普通に近いやや難程度と分類できます。やや難レベルの資格には、簿記1級やFP1級などがありますが、それよりも簡単な試験でしょう。

その理由は、中小企業診断士の1次試験が「マークシート形式」の試験であり、かつ、合格率が20%を超えるためです。

特にマークシート形式の試験でというのは、なんとなく知っているだけで合格することもあるため、筆記試験とは難易度が全く異なります。

実際に毎年「ほぼ無勉強で合格をした!」なんて人が試験後によく見かけますが、この点が中小企業診断士1次試験の特徴でしょう。

したがって、足切りの怖さはありますが、普通に過去問を中心に勉強をしておけば、容易に合格レベルに達することができる試験と言えます。

(2) 勉強時間

400時間~1,200時間

1次試験の勉強時間は、下記によって大きく異なります。

  • 科目免除数
  • 社会人経験
  • 各科目の既習レベル(特に簿記)

この中でも特に重要なのが①です。1科目でも科目免除を受けることができれば、それだけ勉強時間に余裕ができます。

有資格者

例えば、公認会計士や弁護士、簿記1級程度の知識のあるSEなどは、本試験のある年の春ころから受験を開始しても間に合う可能性があります。

社会人経験者

また、1次試験の「企業経営理論」や「運営管理」、「経営法務」、「経営情報システム」は、社会人経験が5年程度あれば、「常識」として知っている内容もあるため、社会人経験がモノを言います

学生

一方で、1次試験で学生は明らかに不利です。企業経営理論や経営法務などはイメージが湧かず、苦手意識を持ちやすいでしょう。

したがって、もし大学生で診断士試験を目指すのであれば、1年以上、つまり、1,000時間以上の勉強時間を確保できるように心がけましょう。

(3) 合格率

1次試験の「全科目合格者」と「科目合格者」の直近10年間の合格率の推移は次の通りです。

(1) 全科目合格者

直近10年間の合格率の最高、最低及び平均は次の表の通りです。

最高 最低 平均
30.2%
2019年
15.9%
2010年
22.0%

どの試験でも合格率が上がった年の翌年は合格率が大きく下がる傾向にあるため、2020年の合格率はかなり下がると予想しています。

(4) 科目合格者

経済学・経済政策

財務・会計

企業経営理論

運営管理

経営法務

経営情報システム

中小企業経営・中小企業政策

合格しやすい科目、しにくい科目

診断士の1次試験は7科目から構成されていますが、得点しやすい(合格しやすい)科目と、得点しにくい(合格しにくい)科目が明確に分かれています。

合格しやすい・得点しやすい科目

経済学、財務会計、情報システム

経済学」や「財務・会計」は、アカデミックな科目のため、勉強が得点に結び付きやすく、実際に90点前後の高得点も望めます。

また「経営情報システム」は、ITパスポートなどの問題に近い問題が出題され、ITが嫌いでなければ高得点が狙えます。

合格しにくい・得点しにくい科目

一方、学問として未完成な科目である「企業経営理論」は得点がしにくい科目の代表格です。本試験でも予備校間で回答にバラツキが出る科目です。

また「経営法務」は、会社法と知的財産権をメインとしていますが、民法なども出題され、範囲が広すぎます。

(4) 合格者の属性

中小企業診断士の1次試験では、学生より社会人の方が合格し易いという特徴があります。

年齢と合格率

中小企業診断士の1次試験は、年齢によって合格率に顕著な差があります。

合格率が高い30代~50代の合格率は20%近くあるものの、合格率の低い10代5%前後の合格率と熾烈を極めます。

職業と合格率
● 合格率の高い職業
  1. 政府系金融機関20.3%
  2. 税理士・会計士等20.0%
  3. 公務員18.4%
  4. 民間企業16.7%
  5. 立行政法人等15.9%
● 合格率の低い職業
  1. 学生9.1%
  2. 中小企業支援機関9.3%
  3. 経営コンサルタント12.7%
  4. 無職等13.8%

32次試験

(1) 難易度

超難 激難 やや難 普通

中小企業診断士の2次試験は勉強時間は少ないものの、なかなか難関です。

なぜなら、2次試験は「実務寄りの試験」であり、採点基準が不透明のため、予備校でも対策がなかなか立てられていないないというのが理由でしょう。

しかしながら、試験対策を講ずれば、少ない勉強時間で効率よく合格ができるということもあるため、やや難程度と考えるのが良いでしょう。

2. 勉強時間

150時間~200時間

2次試験の勉強時間は、概ね150時間前後だと思いますが、財務・会計が苦手であれば、もう少し勉強時間が必要となります。

過去問を解いては、「ふぞろいの」を見ながら、何が得点に結びついているのかを確認しながら勉強をしていくと、だいたい150時間程度になります。つまり、1次試験終了から、2次試験までの約2ヶ月の間、毎日2時間勉強をすれば良いということになります。

ただし、財務分析については、やればやるほど得点が安定しますので、苦手な人は+50時間と考えておくと良いと思います。

3. 合格率

2次試験の「筆記試験」と「口述試験」の合格率の推移は次の通りです。

(1) 筆記試験

直近10年間の合格率の最高、最低及び平均は次の表の通りです。

筆記試験の直近10年間の平均合格率は約20.2%ですが、2012年と2014年の合格率が25%前後とやや高く合格率を押し上げています。

基本的には20%弱の合格率と考えておいた方が良いでしょう。

最高 最低 平均
30.2%
2019年
15.9%
2010年
22.0%

どの試験でも合格率が上がった年の翌年は合格率が大きく下がる傾向にあるため、2020年の合格率はかなり下がると予想しています。

(2) 口述試験

口述試験は、実質的に100%の合格率です。よほどのこと(例えば欠席)が無い限り合格をすると考えられています。

(3) 合格者の属性

中小企業診断士の2次試験では、1次試験とうって変わって社会人よりも、学生の方が合格をしています

年齢と合格率

中小企業診断士の2次試験(筆記試験)は、若い人ほど合格率が高いことがわかります。

職業と合格率
● 合格率の高い職業
  1. 政府系金融機関勤務29.7%
  2. 経営コンサルタント:事務所25.0%
  3. 税理士・会計士等21.7%
  4. 学生21.5%
  5. 政府系以外の金融機関20.9%
● 合格率の低い職業
  1. 無職等12.1%
  2. 経営コンサルタント:自営13.6%
  3. 中小企業支援機関16.5%
  4. 独立行政法人等17.4%
  5. その他の自営業18.0%

4最後に

中小企業診断士は近年ではAIに代替されにくい資格・職業として脚光を浴びており、独占業務は無いものの、収入が比較的安定をしていて、高収入も期待でき、かつ、独立もできる資格です。

一方、中小企業診断士の試験は、最終合格率は5%程度と低いものの、1次試験を見れば合格率が20%超と高くマークシート形式とそこまで難易度は高くありません。

また、2次試験については、対策が難しいものの、勉強時間は少なく、合格率も20%弱と、他の国家資格の試験と比べるとなかなか高い合格率と言えます。