中小企業診断士の難易度と合格率

概要 年収 難易度
合格率
仕事内容 将来性

ここでは、中小企業診断士試験の「難易度」や「合格率」についてお話します。

この記事にあるグラフのデータは全て下記のサイトのデータに基づきます。
中小企業診断士試験|中小企業診断協会HP

なお、中小企業診断士試験は「1次試験」と「2次試験」から構成されていますが、それぞれタイプの異なった試験ですので、それぞれの難易度について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

– 目次 –

  1. 試験の難易度
  2. 合格基準
  3. 合格率の推移
  4. 職業と合格率

試験の難易度

試験の概要

中小企業診断士試験は経済産業省が管轄する国家試験で、3段階式の試験となっています。

  • 1段階(択一:1次)・・・8月初旬
  • 2段階(筆記:2次)・・・10月中旬
  • 3段階(口述:2次)・・・12月中旬

それぞれの試験に合格をした人が次段階の試験を受験することができる仕組みとなっています。ただし、1次試験については受験資格は不問です。高い受験料13,000円を払えば誰でも受験をすることができます。

試験の難易度

超難 激難 やや難 普通

肝心の中小企業診断士の試験の難易度は、資格くらぶの中の分類としては、程度と分類しています。同じような難易度の試験には「社労士」や「行政書士」、「ITストラテジスト」などがあります。

基本的に1次試験は、1つ1つの科目に対する理解度はさほど必要ないものの、7科目と学習範囲が広いため、難易度が高くなります。また、2次試験は、実務よりの事例形式の問題であり、対策がたて辛いため難易度を上げています。

ちなみに、学習経験者にとっては1次試験の方が難しく、学習経験者にとっては2次試験の方が難しく感じると思います。

なお、最近は「AIに代替されにくい仕事・資格」として度々メディアに取り上げられており、人気の資格となっています。そのため、今後は徐々に難化していくものと予想しています。

難易度の理由

診断士試験の難易度の理由を列挙すれば次の通りです。診断士試験の内容は、先の取り、1つ1つは学問的に底が浅く簡単ですが、学習範囲が広く、また、1次試験と2次試験とで形式が全く異なるため、難易度を高く感じさせます。

試験形式 3段階式試験である
試験実施回数 年に1度きり
試験対策 2次試験対策が難しい
合格率 最終合格率が約5%と低い
試験科目 科目数が多く、範囲も広い
合格率 1次と2次の合格率は共に約20%とやや高い
勉強時間 500時間~1,500時間
試験科目 深い理解は不要

なお、診断士の1次試験は社会人経験が活きます。そのため、社会人経験が5年程度はある30代~40代の人の合格率は20%前後と特に高くなっています。

一方、社会人経験の無い学生にとっては、なかなか難関な試験で、過去5年間の10代の平均合格率が4.0%であることを考えると、相当にハードな試験と言えます。

では、2次試験はどうかというと、2次試験は逆に10代、20代と年齢の若い人の方が合格率が高く、勉強が生きやすい試験と言えます。

診断士試験の合格基準

中小企業診断士の合格基準はなかなか「独特」ですので、よく理解しておきましょう。

1次試験の合格基準

1次試験では、1次試験の合否の判定と科目合格者の合否の判定が行われます。

1次試験の合否判定

中小企業診断士の1次試験は、7科目の総得点が60%以上であり、かつ、1科目でも40%に満たない科目がないことが、合格基準となります。

したがって、1次試験の突破のカギは、得意科目で得点を伸ばし、不得意科目は足切りを受けない程度に頑張るということになります。

なお、この「1次試験の合格の権利」は翌年1年間のみ繰り越すことができます。

つまり、今年1次試験に合格をした人は、たとえ今年の2次試験に不合格であったとしても、翌年は1次試験をパスすることができ、2次試験から受験をすることができます。

ただし、繰越可能期間1年間なので、翌年に2次試験を受けなくても、翌々年は免除されないので注意しましょう。

科目合格者の合否判定

先の通り、1次試験では科目合格者の判定も行われます。この科目合格者の判定は、1次試験が不合格だった人に対して行われます。

具体的には、1次試験の不合格者につき、受験した科目の中で6割以上の得点をした科目があれば、その科目が科目合格となります。

なお、科目合格をすると、次年度から2年間、科目免除を申請することができます

科目免除者・科目合格者の取り扱い

中小企業診断士試験の1次試験では、科目免除制度があります。

例えば、税理士情報処理技術者などの一部の国家資格者や前年度以前の科目合格者については、一部の科目につき科目免除の申請をすることができます。(任意)

なお、この科目免除の申請をした場合には、その科目については60%の得点をしたものとして1次試験の合否の判定が行われます。

2種類の合格方法

上記からも分かるかもしれませんが、1次試験の合格には次の2種類の合格方法があります。

  1. 一度の1次試験で全科目合格をする方法
  2. ② 科目合格(+科目免除)積み重ねて合格をする方法

ただし、毎年、いずれか1~3科目の合格率が5%前後非常に低いことから、科目合格の積み重ねは全科目合格より難易度が高いと思います。

2次試験の合格基準

前述の通り、中小企業診断士試験の2次試験は「筆記試験」と「口述試験」から構成されています。

筆記試験の合格基準

筆記試験の合格基準は、基本的には1次試験と同様です。

すなわち、4科目総得点60%以上であり、かつ、そのうち1科目でも40%未満の科目がない場合に、筆記試験の合格となります。

なお、筆記試験については、合格の繰越し制度はありませんので注意しましょう。

口述試験の合格基準

口述試験の合格基準は「採点官における評定が60%以上」で合格となります。

合格率を見てもらえば分かりますが、ほぼ100%合格するため、実質的に筆記試験が最後の試験と言えます。

合格率の推移

1次試験について

1次試験の「全科目合格者」と「科目合格者」の直近10年間の合格率の推移は次の通りです。

全科目合格者の合格率の推移

直近10年間の合格率の最高、最低及び平均は次の表の通りです。

最高 最低 平均
30.2%
2019年
15.9%
2010年
22.0%

どの試験でも合格率が上がった年の翌年は合格率が大きく下がる傾向にあるため、2020年の合格率はかなり下がると予想しています。

科目合格者の合格率の推移

合格し易い科目、しにくい科目

診断士の1次試験は7科目から構成されていますが、得点し易い(合格し易い)科目と、得点しにくい(合格しにくい)科目が明確に分かれています。

例えば、学問として完成している科目は、問題の出題形式や方法、解答への道筋などが決まっていますので、勉強をすることで高得点に繋がります。例えば、財務・会計や経済学はこの典型です。

一方で、学問として未完成な科目は、学習量がダイレクトに得点に繋がらず、運や経験、才能などの他の要素が得点に影響を与え、なかなか得点に繋がりません。例えば、企業会計理論がこの典型です。

また、学習ボリュームが広すぎ、高得点の奪取がそもそも不可能な科目もあります。経営法務は現役の弁護士であっても、なかなか高得点は難しいとの意見もあるほどです。

このような特徴があるため、各科目については、合格率が高い科目群と低い科目群があるのです。

2次試験について

2次試験の筆記試験と口述試験の直近10年間の合格率の推移は次の通りです。

筆記試験の合格率の推移

筆記試験の直近10年間の平均合格率は約20.2%となっています。

2012年と2014年で合格率が25%前後と例年に比べて高い水準でしたが、基本的には20%前後の合格率と考えておいた方が良いでしょう。

口述試験の合格率の推移

口述試験は、実質的に100%の合格率です。よほどのこと(例えば欠席)が無い限り合格をします。

最後に

中小企業診断士試験は、最終合格率は5%程度と低いですが、1次試験と2次試験の合格率がともに20%前後と、他の独占業有のある国家資格の試験と比較しても、合格率は高く、また、各科目の試験問題の難易度もそこまで高くないため、比較的合格しやすい試験と言えます。

一方、中小企業診断士は近年ではAIに代替されにくい資格・職業として脚光を浴びており、独占業務は無いものの、収入が比較的安定をしていて、高収入も期待でき、かつ、独立もできる夢のような資格です。(もちろん、誰でも簡単に高収入が手に入るわけではありません。)

私も長い間資格業界に身を置き、色々な国家資格を取得し、また、周りにもたくさんの国家資格者がいますが、中小企業診断士のコストパフォーマンスは、明らかに群を抜いています(むしろ、なぜこの資格に今まで見向きもしなかったのか?と思うほどです。)

もちろん、今後も資格取得者が増えるでしょうし、一方で、少子高齢化により中小企業の数が減るでしょうから、中小企業診断士の仕事も他の侍業と同じく、長期的には徐々に減っていくと思います。

しかしながら、差別化をすることが難しい他の士業と比べると「人による差別化」が可能な業務・業界だと思いますので、経営力、企画力、分析力、コミュニケーション能力などのスキルの高い人は、まだまだ成功する業界ではないかと思います。

概要 年収 難易度
合格率
仕事内容 将来性