中小企業診断士2次試験|難易度・合格率

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ここでは、中小企業診断士の1次試験の難易度や合格率についてお話をします。なお、この記事にあるグラフのデータは全て下記のサイトのデータに基づいています。

中小企業診断士試験|中小企業診断協会HP

– 目次 –

  1. 難易度
  2. 合格基準と学習戦略
  3. 合格率の推移
  4. 職業と合格率

1次試験の難易度

超難 激難 やや難 普通

中小企業診断士の1次試験では、2日間に渡り7科目を受験します。

この1次試験の難易度は、各科目についての学習経験の有無、年齢、職業、保有ライセンスなどにより異なりますが、おおざっぱに言って、学生にとっては、社会人経験がある程度ある人にとってはやや難くらいのレベルでしょう。(理由は下記)

試験科目 7科目と多い
試験実施回数 年に1度きり
合格率 20%前後とそこそこ高い
出題形式 マークシートかつ純粋な4択or5択
科目免除 色々な国家資格による科目免除がある

1つ1つの科目の難易度は、簿記2級程度又はそれ以下のレベルだと思いますが、範囲が広く、7科目と多いので、合格者予備軍に入るのが大変です。

一方、試験の形式が純粋な4択又は5択のマークシート形式のため、あいまいな知識であっても正答を絞り込むことができ、完成度が低くても合格できる試験と言えます。

実際に毎年、無勉勉強だったのに合格をした、なんて人がチラホラ出ます。他の高難易度試験ではそういった人は皆無です。

1次試験の合格基準と学習戦略

1. 合格基準

中小企業診断士の1次試験の合格基準は、①7科目の総得点が60%以上(総得点基準)、かつ、②得点が40%に満たない科目がない(最低ライン基準)、の2要件を満たすことです。

総得点基準は比較的突破し易いですが、最低ライン基準で落ちる人が結構います。

科目免除の得点

他の国家資格保有者(弁護士や税理士など)、前年又は前々年の「科目合格者」については、受験時に免除申請を行うと、その科目の受験を免除されます。

この場合、免除された科目については60点の得点をしたものとして、総得点基準の判定を行います。

科目合格

1次試験では1次試験の合否判定に加え、科目合格者の判定も行われます

具体的には、1次試験が不合格だった人に対して科目合格の判定が行われ、60%以上の得点をした科目を「一部合格科目」として取り扱います。

この一部合格科目については、翌年及び翌々年の1次試験において「科目免除」の申請をすることができるようになります。

合格の効果 – 翌年への繰り越し

1次試験に合格をすると、翌年は1次試験を受験する必要がなく、2次試験が受験をすることができます。

2. 学習戦略

1次試験の学習戦略は「得意科目で点数を伸ばし」、「不得意科目で最低ライン基準を突破する」が基本の学習戦略です。

得意科目となるのは、ざっくりカテゴライズすれば、下記のような感じです。

  • 社会人経験のある人 → 運営管理
  • 簿記1級以上の知識がある人 → 財務・会計
  • 情報処理技術者試験の資格保持者 → 経営情報システム

2次試験の合格基準

前述の通り、中小企業診断士試験の2次試験は「筆記試験」と「口述試験」から構成されています。

筆記試験の合格基準

筆記試験の合格基準は、基本的には1次試験と同様です。

すなわち、4科目総得点60%以上であり、かつ、そのうち1科目でも40%未満の科目がない場合に、筆記試験の合格となります。

なお、筆記試験については、合格の繰越し制度はありませんので注意しましょう。

口述試験の合格基準

口述試験の合格基準は「採点官における評定が60%以上」で合格となります。

合格率を見てもらえば分かりますが、ほぼ100%合格するため、実質的に筆記試験が最後の試験と言えます。

合格率の推移

1次試験について

全科目合格者の合格率の推移

次のグラフは1次試験の全科目合格者直近10年間の合格率の推移になります。

直近10年間の平均合格率は約21.4%となっていますが、年によって上下5%前後のブレがあります。

ちなみに、3年に1度くらいの間隔で合格率が下がる傾向があるため、2019年は厳しい年になる可能性があります。

全科目合格者の年齢別合格率の推移

次のグラフは、1次試験の全科目合格者の年齢別の合格率の推移です。

年齢は30代~50代の合格率が高く、次いで20代60代と続きます。なお、10代と70代の合格率は他の年代と比べると特に低くなっています。

中小企業診断士試験の1次試験の問題は、社会人経験を通じた知識だけで解ける問題も多いため、現役の社会人(30~50代)の合格率が高くなっていると推測できます。

科目合格者の合格率の推移

次の表は、各科目の科目合格者直近10年間の合格率の推移をマトリックス(表)にしたものになります。

年度 経済 財務・会計 経営理論 運営管理 経営法務 システム 中小企業
R1年
2019年
25.8% 16.3% 10.8% 22.8% 10.1% 26.6% 5.6%
H30年
2018年
26.4% 7.3% 7.1% 25.8% 5.1% 22.9% 23.0%
H29年
2017年
23.4% 25.7% 9.0% 3.1% 8.4% 26.6% 10.9%
H28年
2016年
29.6% 21.6% 29.6% 11.8% 6.3% 8.5% 12.5%
H27年
2015年
15.5% 36.9% 16.7% 20.5% 11.4% 6.4% 12.2%
H26年
2014年
19.4% 6.1% 13.4% 17.8% 10.4% 15.0% 31.1%
H25年
2013年
2.1% 16.6% 6.8% 10.5% 21.1% 51.8% 16.9%
H24年
2012年
24.8% 3.8% 12.5% 19.4% 18.1% 25.8% 17.4%
H23年
2011年
8.6% 10.7% 13.1% 13.9% 23.3% 36.1% 5.1%
H22年
2010年
6.1% 11.3% 19.9% 18.2% 12.7% 25.8% 24.2%
H21年
2009年
38.9% 19.5% 18.8% 29.9% 10.5% 3.8% 2.9%

上記の表から、中小企業診断士試験の1次試験には、2つの傾向があることが分かります。

1つ目は、中小企業診断士固有の科目である企業経営理論運営管理経営法務中小企業政策については、毎年の合格率が低いという傾向があります。

2つ目は、一般教養科目である経済学・経済政策財務・会計経営情報システムについては、毎年どれかが難しく、逆にどれかが簡単という傾向があります。

したがって、中小企業診断士試験では、この傾向・特徴を理解した上で、試験対策を行うことが重要です。

2次試験について

2次試験の筆記試験と口述試験の直近10年間の合格率の推移は次の通りです。

筆記試験の合格率の推移

筆記試験の直近10年間の平均合格率は約20.2%となっています。

2012年と2014年で合格率が25%前後と例年に比べて高い水準でしたが、基本的には20%前後の合格率と考えておいた方が良いでしょう。

筆記試験の年齢別合格率の推移

次のグラフは、直近6年間の筆記試験の年齢別の合格率の推移です。

グラフを見ると分かると思いますが、2次試験では、若い人ほど合格しやすい傾向にあります。

若い人ほど時間に余裕があり、試験対策ができている人が多いと推測されますので、2次試験は経験よりも、勉強量が重要ということが言えるでしょう。

口述試験の合格率の推移

口述試験は、実質的に100%の合格率です。よほどのこと(例えば欠席)が無い限り合格をします。

職業(勤務先)と合格率との関係

1次試験について

● ベスト5

過去5年間の1次試験における合格率が高い勤務先ベスト5は次の通りです。

  1. 政府系金融機関勤務20.3%
  2. 税理士・公認会計士等の自営業者20.0%
  3. 公務員18.4%
  4. 民間企業勤務-16.7%
  5. 独立行政法人等勤務-15.9%

ベスト5に入る職業の傾向としては、過去に何らかの資格試験を経験している人が多いようです。

特に「財務・会計」に強い政府系金融機関に勤務している人税理士・公認会計士の合格率が高いことから、財務・会計の実力が1次試験突破のカギになると言えるでしょう。

● ワースト5

一方、過去5年間の1次試験における合格率が低い勤務先ベスト5は次の通りです。

  1. 学生9.1%
  2. 中小企業支援機関9.3%
  3. 経営コンサルタント-自営業12.1%
  4. 経営コンサルタント-事務所等-13.3%
  5. その他(無職を含む)13.8%

社会人経験の無い「学生」は社会人と比べて知識が少ないため、最も合格率が低いという結果でした。

次いで、合格率が低いのが「中小企業支援機関」と「経営コンサルタント」でした。

2次試験について

● ベスト5

過去5年間の2次試験における合格率が高い勤務先ベスト5は次の通りです。

  1. 政府系金融機関勤務29.7%
  2. 経営コンサルタント-事務所等-25.0%
  3. 税理士・公認会計士等の自営業者21.7%
  4. 学生-21.5%
  5. 政府系以外の金融機関勤務-20.9%

2次試験では、職業柄、事業や財務の診断をしているであろう税理士金融機関への勤務者の合格率が高くなっています。

また、面白いことに1次試験で合格率の低かった学生経営コンサルタント(事務所等勤務者)の合格率が高くなっています。

このことから、2次試験では「問題抽出能力」と「解決案提案能力」が高い人が有利であり、学生の合格率が高いことからも、それは「学習をすることで対応できる」ということが言えそうです。

● ワースト5

次は、過去5年間の2次試験における合格率が低い勤務先ベスト5は次の通りです。

  1. その他(無職を含む)12.1%
  2. 経営コンサルタント自営業13.6%
  3. 中小企業支援機関16.5%
  4. 独立行政法人等勤務-17.4%
  5. その他の自営業-18.0%

まず、自営業者無職を含むその他の人合格率が低いことが分かります。

これは、前述の通り、日常生活において「問題抽出」をしたり、「解決提案」をしたりといったことをしていないため、2次試験をやや不得意にしているのではないかと考えられます。

もう1点は、1次試験と同様に、中小企業を支援しているであろう中小企業支援機関経営コンサルタント(自営業)合格率が低いということが分かります。

この結果だけ見ると、いったい何を支援して、何をコンサルティングしているのかという疑問が湧いてきてしまいます。

さいごに

中小企業診断士試験は、最終合格率は5%程度と低いですが、1次試験と2次試験の合格率がともに20%前後と、他の独占業有のある国家資格の試験と比較しても、合格率は高く、また、各科目の試験問題の難易度もそこまで高くないため、比較的合格しやすい試験と言えます。

一方、中小企業診断士は近年ではAIに代替されにくい資格・職業として脚光を浴びており、独占業務は無いものの、収入が比較的安定をしていて、高収入も期待でき、かつ、独立もできる夢のような資格です。(もちろん、誰でも簡単に高収入が手に入るわけではありません。)

私も長い間資格業界に身を置き、色々な国家資格を取得し、また、周りにもたくさんの国家資格者がいますが、中小企業診断士のコストパフォーマンスは、明らかに群を抜いています(むしろ、なぜこの資格に今まで見向きもしなかったのか?と思うほどです。)

もちろん、今後も資格取得者が増えるでしょうし、一方で、少子高齢化により中小企業の数が減るでしょうから、中小企業診断士の仕事も他の侍業と同じく、長期的には徐々に減っていくと思います。

しかしながら、差別化をすることが難しい他の士業と比べると「人による差別化」が可能な業務・業界だと思いますので、経営力、企画力、分析力、コミュニケーション能力などのスキルの高い人は、まだまだ成功する業界ではないかと思います。

難易度
合格率
科目の紹介 科目免除 独学と予備校 勉強方法 私の診断士試験