中小企業診断士の予備校・通信講座の選び方

概要 難易度 独学と予備校 勉強方法 報酬・年収

中小企業診断士試験の勉強のスタイルには、大きく分けて①独学②通信講座予備校の3つのスタイルがあります。

私個人は「独学 → 予備校 → 通信講座」とねり歩いた結果、「ユーキャンがベスト」という結論に達しています。

もちろん、何を重視しているのか?によって、最適なものは人によって違ってきます

そこで、この記事では、上記3つの勉強スタイルの特徴(長所・短所)やそれらの選び方についてお話しします。

目次

独学という選択

まず、そもそも「独学とは何ぞや?」ということですが、この記事では「独学」を中古サイトや市販サイトで、予備校や通信講座のテキスト・問題集を購入し、勉強をするスタイルと捉えています。

そして、単刀直入に言うと、私は基本的に中小企業診断士試験については、独学は向いていないと思っています。

なぜなら、独学によるメリットが少なすぎ、一方でデメリットが多すぎるからです。

● そもそも独学は可能か?

では、そもそも中小企業診断士試験は「独学でいけるのか?」と言うことですが、結論から言えば「ギリギリいける可能性がある」というのが正確な解答です。

以下に順を追ってこの理由を説明します。

1次試験について

中小企業診断士試験の1次試験は次の7つの試験科目から構成されていますが、これらの科目の多くが年度によって内容が大きく変わるこはありません

– 1次試験の試験科目 –

  1. 経済学・経済政策
  2. 財務・会計
  3. 企業経営理論
  4. 運営管理
  5. 経営法務
  6. 経営情報システム
  7. 中小企業経営・中小企業政策

例えば、企業経営理論運営管理中小企業政策については「ビジネスロジックや仕組み、考え方」がその内容であるため、年度によって内容が変わるものではありません。

また、財務・会計については、実務ベースでは「収益の認識基準の改正」や「税制改正」などがありますが、中小企業診断士試験に出題される内容は、簿記や原価計算、法人税法等の基礎中の基礎の内容であるため、法改正などが影響することはほとんどありません。

ただし、経営法務経営情報システムについては毎年情報のアップデートがそれなりにあるため、例えば5年以上前のテキストでは最近の本試験対策としては不十分になります。(企業経営理論の中の労働基準法などの法律も年度によって若干変わります。)

したがって、1次試験についてはメルカリヤフオクなどを利用して過去1~2年以内のテキストを購入し、最新の市販問題集を購入することで、独学による合格も可能です。

しかしながら、この勉強スタイルのネックになるのが必ずしも、最新年度かつ状態の良いものが手に入るとは限らないというものです。

2次試験の筆記試験終了後(10月後半)又は筆記試験の合格発表後(12月後半)は、最新のテキストが中古サイトに出回りますが、直ぐに売り切れてしまい、1月頃になると最新年度のものを入手するのがとても難しくなります。(あっても10年近く前のものや高いものばかりです。)

したがって、適切な教材を、自分が勉強を始めたいと思ったときに手に入らないという問題があるため、独学は向いていないということになります。

2次試験について

中小企業診断士試験の2次試験は「中小企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」「経営情報システム」を範囲とする実務形式の論文式試験が出題されますが、この2次試験の対策が独学ではすこぶる効率が悪いという問題があります。

例えば、市販問題集にも2次試験対策の問題集がありますが、何が書いてあるのか「読めるレベル」には比較的簡単になれますが、それを「自力で書けるレベル」までいくのが難しいという現実問題があります。

なぜなら、添削してくれる人がいないため、何が正しいかが分かりにくいからです。

論理的文章をもともと書ける地頭が良い人ITストラテジスト合格者については、市販の問題集だけでも対応ができる可能性がありますが、そういった人は極小です。

インターネット上で検索をしても、独学で2次試験を突破した人がほとんどいないことからも、2次試験を独学で合格をすることが難しいことが分かると思います。

● 費用について

独学の場合は、少なく見積もっても下記くらいの出費が発生します。

内容 金額
過去1~2年内の予備校等のテキストなど 最低2~3万円
1次-過去問題 1万円
2次-事例問題 5千円
2次-過去問題 5千円
合計 4万円~5万円

ちなみに、中小企業診断士試験は受験費用が異常に高く、1次試験が13,000円、2次試験が17,200円です。

● 独学のメリット&デメリット

次に、独学をした場合のメリットとデメリットです。

メリット デメリット
経済的 非効率な学習になりやすい
情報収集能力が磨かれる 結局非経済的になりやすい
学習ペースを保つのが難しい
モチベーションを保つのが難しい
分からなくても質問ができない
2次試験の添削をしてくれる人がいない
合格可能性が低い

ご覧の通り、メリットよりもデメリットの方が断然多いのが独学です。

独学の唯一にして最大のメリットとも言える「経済性」についても、一発合格が前提であり、書籍もコレといったものしか購入しない場合に限り、その経済的なメリットが発揮されます。

逆に言えば、何冊も問題集や参考書を購入したり、一発で合格できなかった場合は、むしろ高くつく可能性さえあります。(もっと言えば「貴重な時間」も無駄にします。)

したがって、筆者の結論としては「中小企業診断士試験については、独学は全くお勧めしない」ということになります。

通信講座という選択

独学・予備校・通信

通信講座には「ユーキャン」と「診断士ゼミナール」がありますがユーキャン一択で間違いありません。

診断士ゼミナールの方が安いのになんで?と思うかもしれませんが、確かに診断士ゼミナールは42,000円(税抜)という最安のコースがありますが、これにテキストを付けると16,500円(税抜)が加算され、DVDを付けるとさらに12,900円(税抜)が加算され、結局、合計金額は77,000円(税込)となります。

これは、ユーキャンの講座料98,000円(税込・デジタル付)と比較しても、21,000円しか安くならない計算です。

一方で、両者の「テキストの内容」と「合格実績」には大きな差があり、ユーキャンの方が圧倒的に優れています

また、ユーキャンの講座は人気があるため、状態が良いものであれば、受講終了後にメルカリなどの中古サイトで販売すれば、1~3万円くらいで売却することができます。(つまりトータルで考えると6~8万円の出費で済む可能性があるということです。)

したがって、中小企業診断士試験については、このユーキャンという選択肢が経済的にも、合格の可能性についても最良だと思っています。

● 費用

講座の種類 講座料
全科目(2次試験対応)
デジタルテキスト付き
98,000円
全科目(2次試験対応)
デジタルテキストなし
93,000円

※ いずれも送料・消費税込みの値段です。

上記の講座料の中に「テキスト」「問題集」「過去問」「10回の添削指導」がついています。

● 通信講座のメリット&デメリット

メリット デメリット
テキストが分かりやすい やや高い
市販書籍を購入する必要がない 分からなくても質問ができない
添削をしてくれる 学習ペースを保つのが難しい
合格可能性が高い モチベーションを保つのがやや難しい

ご覧の通り、ユーキャンは「メリット」が多く、「デメリット」が少ないというのが特徴です。

とにかく、10万円弱の投資で合格可能性を近づけることができるというコスパが最高だと思っています。

予備校という選択

中小企業診断士を取り扱う予備校はたくさんありますが、大枠で言うと「大手」と「Web系」で分けることができます。

大手予備校

大手予備校のメリットは、
テキストと問題集が良い
講師は優秀な人が多い
③ 質問ができる
添削サービスがある
などのメリットがあります。

一方で、受講料30万円前後と高く、資金的に余裕が無ければ選択することはできないでしょう。

Web系予備校

Web系予備校は
受講料が安く
② 動画による講義があり
体系的な勉強が可能
というメリットがあります。

一方で
テキストの質(説明の分かりやすさ)がやや劣り
② 2次試験対策に必要となってくる添削サービスなどがない
③ テキストはオプションで購入する必要がある
④ 問題集の分量が少ない
といったデメリットがあります。


筆者の個人的感覚からすると、中小企業診断士試験レベルであれば、「Web系予備校+市販問題集」か「通信講座」の方が安くて、合格も十分狙えるため、あえて大手予備校を選択する必要はないと思います。

もちろん、資金的に相当余裕があれば、大手予備校という選択が一番だと思います。(やはりテキストの内容は大手予備校のは分かりやすいし、説明も詳しく、実力は付くと思います。)

● 予備校と講座

中小企業診断士を取り扱う予備校と初学者向けの代表的な講座には次のものがあります。

予備校 講座 料金 教育給付金 受講形態 予備校の特徴
資格スクエア 1次試験対策講座
2次試験対策講座
72,800円
54,000円
Web 法律系に強いWeb予備校
KEC 1次・2次ストレート合格パーフェクトコース 368,000円 通学 中小企業診断士に特化した予備校
クレアール 1次2次セパレート全力投球モデル冬コース 280,000円 Web 公認会計士試験に強い予備校
スタディング 1次2次合格コース 54,980円 Web 受講料が衝撃の安さのWeb予備校。中小企業診断士に強い。
LEC 1次2次プレミアム1年合格コース 270,000円 Web 弁護士や司法書士など法律系に強い予備校。
資格の大原 1次直前対策・2次対策セットコース 242,400円 Web 大手の予備校。手厚いサービスと充実したテキストが売り。
TAC 1.5年本科生 278,400円 Web 公認会計士や税理士など多様な資格を取り扱う業界最大手の予備校。合格実績も高い。

受講料は定価・税込で表示をしていますが、各種の割引(例えば再受講割引早割など)は考慮していません。

また、受講形態(通学・DVD・WEBなど)によっても受講料が変わるため、実際にはもっと安くなる場合もあれば、高くなる場合もあります。

先の通り、予備校を利用するのであれば基本的に「Web系予備校」が良いと思います。

その中でも特にスタディングは、受講料が激安の割に、受講生サイトが使いやすく、体系的に学ぶことができ、お勧めです。

もともと、スタディングの発祥は「中小企業診断士」であるため、スタディングの各講座の中でも中小企業診断士講座は特に充実していると思います。

なお「テキスト」と「学習マップ」をオプションで購入できますが、個人的な意見からすると両方とも不要だと思います。

なぜなら、テキストはWeb上で見れるため購入する必要はありませんし、学習マップは「重要事項が紐づいた暗記カード」みたいなものですが、本試験では単純なキーワードを覚えているだけでは太刀打ちできず、あまり必要性を感じないからです。

また、スタディングを受講をする場合に事前に理解しておくべきこととしては、

  • ① テキストの解説がほとんど「文字による解説」であり、説明自体もやや分かりにくい。
  • 問題集が脆弱なので、スタディングだけで合格レベルに達するのは正直難しい
  • ③ 誤字・脱字がやや目立つ
  • ④ 2次対策がやや脆弱答案練習や添削サービスがない

といったものがあります。

したがって、スタディングを受講する場合は、TACの1次及び2次の過去問題集を購入する必要があります。

また、財務・会計(簿記など)について初学者の場合は、スタディングの内容だけでは正直不十分だと思いますので、簿記2級を一通り勉強をしておくことをお勧めします。

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● 大手予備校のメリット&デメリット

メリット デメリット
テキストが分かりやすい とにかく高い
モチベーションが続きやすい
学習ペースを予備校に依存できる
答案を添削をしてくれる
合格可能性が高い
質問ができる

● Web系予備校のメリット&デメリット

メリット デメリット
体形的に学べる テキストがやや脆弱
受講料がとにかく安い 予備校なのに質問ができない
学習ペースを予備校に依存できる 市販の問題集などを購入する必要がある
Web上で学習ができる 上記理由よりやや学習が非効率になる
モチベーションが続きやすい

概要 難易度 独学と予備校 勉強方法 報酬・年収