簿記論を確実に合格をするための考え方

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簿記論はパズル的な要素のある科目で、実力者でもハマりやすい科目です。最後の科目が簿記論という人もいるほどです。

そんな簿記論を「来年、絶対合格をしたい!」という方に向けて、簿記論合格に当たっての考え方をお伝えします。

第3問強化は簿記論合格の近道であり、王道である

1. 成績優秀者は第3問が得意

まず初めに結論から言えば、簿記論を確実に合格するために一番必要なことは「第三問を得意にすること」これに尽きます。百聞は一見に如かず、次のグラフを見てください。

このグラフは平成30年のTACの全国模試の成績優秀者(上位10%以内)の総得点に占める第3問の得点の割合をグラフにしたものです。

※ 総得点に占める第3問の得点の割合とは、第3問の得点 ÷ 総得点 の割合のことを言います。

例えば、第1問から第3問までの得点がそれぞれ10点、10点、30点であれば、「総得点に占める第3問の得点の割合」は60%(=30÷50)ということになります。

上のグラフの赤い点線を見てもらうと、少し見にくいですが、グラフが右下がりであることが分かると思います。

これは成績上位者ほど第3問の得点割合が高いことを意味していて、逆に、成績下位者ほど第3問の得点割合が低いことを示しています。(下位者と言っても上位10%の優秀者ですが。)

つまり、このグラフから成績上位者は第3問を得意にしている人が多いということが理論的に言えるのです。

ちなみに、予備校の講師からも第3問に強い人ほど安定して合格する傾向にあり、逆に第3問に弱い上位者ほど合格しにくいと話を聞いています。

また、成績下位者(平均点付近の人)の傾向を聞いてみると、第1問か第2問のどちらかはそれなりに成績は良いけれども、第3問の点数がいまいちな人が多い、とのことでした。

したがって、第3問のレベルアップは確実な合格への王道と言えるのです。

2. 個別問題はハマり易い

● 最近の個別問題の特徴

第1問と第2問は「CF計算書」「特殊商品販売」「減損会計」「推計問題」など、いわゆる個別問題が出題されますが、最近の個別問題を分析すると、大きく次の6つの問題に分類することができます。

① 簡単な問題

簡単な問題とは「予備校の基礎期」までの問題です。例えば簡単な商品売買取引やソフトウェア会計、減価償却、有価証券などの問題がこれに該当します。

読み取りも平易で、時間もそれほどかかりません。

したがって、本試験では最低でも8割、できれば9割以上の正答率が必要になってきます。

② やや難しい問題 ← 実力により差が出やすい

やや難しい問題とは「予備校の応用期」の問題です。例えば「リース取引の貸し手側の処理」や「合併・分割時の処理」「連結会計」などがこれに該当します。

応用レベルと言っても予備校レベルですので、習熟度が高ければ、①の簡単な問題と大差ない感覚で解け、時間もそれほど多くはかかりません。

合格確実レベルまでもっていくには、本試験でだいたい6割~7割以上の正答率が必要になってくるでしょう。

③ ややひねった問題

この手の問題はキーポイントに気付くと雪崩式に解くことができますが、気付かないと全落としする可能性もある怖い問題です。「一般商品売買」や「特殊商品売買」などがこれに該当します。

いかにキーポイントに気付けるかが問題ですが、解ければそれなりにスムーズに解けます。

本試験では、キーポイントに気付くか気づかないかで大きく点数に差が出ますが、③と④の正答率の平均として5割以上は必要になってくるでしょう。

④ やらしい問題

やらしい問題とは、時間をかければ解けそうだけれども、想像以上に時間を喰う問題です。例えば、推計問題がその代表格です。他には本支店会計の後TB勘定、連結会計の利益剰余金や非支配目的株主持分などもこれに該当します。

こちらの問題は基本的には後回しにして解く問題ですが、時間が余ったら積極的に解いていく問題でもあります。

学習が進むと、どの問題が「やらしい問題」かが分かってきます。

⑤ 非常に難しい問題(未出題論点)

この手の問題は、完全に捨て問になりますので、どれだけ早く切り捨てられるかがキーになります。

基本的に手を付けてはいけない問題ですが、その問題が未出題論点なのかどうかの判断が難しいことが、ままあります。

⑥ まず、正しい解答が出ない問題

この手の問題は、他の小問の解答が全て正しい解答でない限り、正答になる可能性のない問題です。例えば、連結会計の期末利益剰余金や在外支店の為替差損益などがこれに該当します。

こちらは即切り以外ありえません。しっかり勉強をしていれば、見切りも上手にできるようになります。

● ハマりやすい個別問題

上記の「③ややひねった問題」と「④やらしい問題」はドはまりし易い問題です。そして、ドはまりした割に全然合っていないなんてことも起きやすい問題です。

なぜなら、これらの問題はパズル的要素のある問題だからです。→ つまり数字的なセンスが必要とされる問題ということです。

この数字的センスというものは、極論を言うと短期間ではほぼ伸びません

同じ推計問題を何度も解くとその問題は満点近く取れるけれども、新しい推計問題を解くとそれほど点数が伸びないというのは、そのセンスが影響しているからです。

ドはまりしたおかげで時間がショートし、焦って第3問に突入すると、本来解けるはずの第3問の基礎問題をポロポロ落としていく可能性が高くなります。

もちろん簿記論合格には個別問題対策も必要ですが、もし点数が伸び悩んでいる、または毎回の順位が不安定であれば、まずは第3問を仕上げることをお勧めします。

3. 第3問は勉強が実を結びやすく、時間をかけるほど得点が伸びやすい

解答時間と得点の伸び方との関係」をグラフに示すと、次のようになります。

個別問題(第1問・第2問)

総合問題(第3問)

第1問・第2問の個別問題では、上の図のように、だいたい20分くらいの解答時間で、ほとんどの場合ボーダーラインの点数に到達できます。25分もかければ、合格確実ライン近くの点数まで伸ばすことができるでしょう。

逆に、個別問題に30分以上の解答時間を費やしても、前述した通り「ハマり易い問題」や「捨て問」の関係でそこまで伸びません。

これに対して第3問は65分~70分くらいまでは、時間をかければかけるほど得点が伸びます(逆に、第3問の得点はその問題の性質上、解答時間を多く持たないと点数が伸びません。)

したがって、点数を伸ばしにくい個別問題(第1問・第2問)に力を入れるより、時間をかければ伸ばせる可能性の高く、パターン問題の多い総合問題(第3問)に時間をかける方が、確実に点数に繋がります

苦手論点は作らない

1. 苦手論点を小問単位で落とすとゲームオーバー

まず初めに申し上げておくと、予備校レベル(4月より前のインプット期に学習するレベル)の問題を苦手にしているようであれば、本試験では得点になりません。下手をするとその論点の問題を全落としする可能性すらあります。

特に他の多くの受験生が正解をしてくる基礎系の問題を小問単位で落とした場合は、他で相当挽回できない限り、だいたいその時点でゲームオーバーです。

したがって、苦手論点は絶対に作ってはいけません

2. 解答時間を無駄に消費する

もし苦手論点があった場合に、その苦手論点を解くと、その問題が解けないばかりではなく、他の論点を解く時間をも奪われます。また苦手論点の場合は、その論点の難易度の判定もまともにできないため、上手く切り捨てることもできないからとても厄介です。

したがって、苦手論点があると「得点」のみならず「解答時間」にも影響するため、予備校レベルの問題については全て解けるようになっておくことが、確実に合格するための前提条件になります。

3. 苦手論点があるとミスが増える

苦手だと思う論点があると、その苦手論点の問題の正答率が下がるだけでなく、苦手論点以外の問題の正答率も下げてしまいます

人間の脳はマルチタスクを並列処理することには向いていません。苦手論点のことを気にしながら、他の論点を解くと、驚くほど正答率が下がり、処理速度も下がります。

インプットは4月までに!

5月以降は本試験対策をする時期になります。具体的には「計算用紙の使い方」や「大問の解く順序」「各大問の配分時間」などを研究しながら学習を進める時期です。(ここらへんの具体的な話は次の記事を参考にしてください。)

そして、5月以降に本試験対策をするためには、一定のレベルに達しておく必要があります。初学者であれば最低限インプット作業が完成していること、経験者であればインプット作業は当然のこととして第3問対策も完成している必要があります。

絶対に諦めない!という強い気持ち

最後は臭い話になりますが、最後まで諦めないという強い気持ちがとても重要です。模擬試験が悪い成績であっても、本試験で焦ってしまっても、決して最後まで諦めないでください。

簿記論も他の科目と同様に、予備校の模擬試験で成績上位者が合格をしやすい科目です。一方で、模擬試験で平均点以下の人も基礎系問題をしっかりカバーできた場合は逆転現象が起こりやすい科目でもあります。

どこに何点配点があるかは試験委員以外誰にも分かりません。最後まで全力でやることで、今年または来年以降の新しい未来が見えてきます。だから最後まで諦めないで頑張りましょう😊

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