合格する思考 | 経験者の勉強 | 初学者の勉強 | 受験テク | 計算用紙 | 私の試験記 |
筆者は簿記論を平成28年、平成29年、平成30年と3回の受験を経て、3回目の平成30年12月にようやく合格をしました。
ここでは、それぞれの年における「模擬試験の結果」や「勉強方法」などをお話します。
1平成28年(2016年)本試験
税理士試験を始めて4年目。その前の年は受験をしなかったので、2年ぶりの試験となりました。
(1) 当時の状況
まずは、当時の状況からです。
- 学習スタイル
大原 初学者一発合格コース(Web通信) - 合格済み科目
固定資産税 - 同時受験科目
財務諸表論(1回目)→ 不合格(B) - 仕事
正社員(不動産鑑定事務所) - 休み
土日祝日休み、試験休み無し、有給・夏休み有り - 平日の勤務時間
6:00-17:30 - 試験前休み
試験の1週間前から有給休暇
(2) 勉強あれこれ
- 勉強の基本方針
基本的に、大原の初学者一発合格コースについて行くだけでした。 - 学習教材
ほぼ大原の教材のみ。市販問題集は大原の総合問題集(応用)を購入して数問やって挫折しました。 - 勉強時間
記録しておらず、記憶もあいまいですが、500時間弱だと思います。 - インプット期(9月~3月)
→ 1日当たり:0~2時間、合計:200時間くらい
アウトプット期(4月~7月)
→ 1日当たり:1~4時間、合計:250時間くらい - 会社との付き合い方
当時の会社は税理士事務所ではなかったため、税理士試験を受けることに対して特別の配慮はありませんでした。当然、試験休みもありませんし、残業の配慮もありませんでした。
また、新規事業のPJリーダーとして働いていた時期でしたので、時間的余裕は少なかったです。 - 家族との付き合い方
試験の数ヶ月前に長男が生まれたこともあり、家族を気にしながら勉強をしていたと思います。 - 本試験前の完成度
はっきり言って完成度は低かったです。特に第3問が苦手でした。大原の総合問題集(応用)を解くと30点に届かないレベルだったと思います。
(3) 予備校の模試の結果
H27年当時のデータが残っていませんが、直前期の模試で上位30%~50%くらいだったと思います。
(4) 本試験の結果と振り返り
結果は、不合格(A判定)でした。予備校の判定ではボーダーライン前後にいたと思います。
当時は会社と家族でいっぱいっぱいの中勉強をしていたので、単純に勉強量が足りていなかったと思います。
2平成29年(2017年)本試験
税理士試験を始めて5年目。官報合格者の半分は既に合格できている年。それなのに合格科目が「固定資産税」のみと、精神的に苦しい年でした。
(1) 当時の状況
- 学習スタイル
「経験者年内完結コース+経験者完全合格コース」@大原WEB通信 - 合格済み
固定資産税 - 同時受験科目
- 財務諸表論(2回目)→ 合格
- 消費税法(1回目)→ 不合格(A)
- 仕事
正社員(不動産鑑定事務所) - 休み
土日祝日休み、試験休み無し、有給・夏休み有り - 平日の勤務時間
6:00-17:30 - 試験前休み
試験の1週間前から有給休暇
(2) 勉強あれこれ
① 1年を通じた学習の状況
年内は、消費税法を始めたこともあり、基本的には「消費税法」メインで、簿記論は大原の「経験者年内完結コース」を流すのみでした。
1月になると、簿記論の勉強量を増やしたため、直前期の序盤は模試で上位3割~4割にいましたが、6月以降は財務諸表論に傾注したため、消費税法と簿記論の完成度が下がりました。
全国模試やその前後にある模試では、上位3割どころか平均点以下に沈みました。
② 学習教材
予備校の教材のみ
③ 勉強時間
この年の勉強時間も特に記録していませんのであいまいですが、だいたい次のような感じでしたので、450時間くらいだと思います。
- 基礎期(9月~12月)→ 1日当たり:0~1時間、合計:50時間くらい
- 応用期(1月~5月)→ 1日当たり:3~4時間、合計:300時間くらい
- 直前期(6月~7月)→ 1日当たり:0~1時間、合計:100時間くらい
④ 会社との付き合い方
この年は、会社での新規PJが没気味でしたので仕事のモチベーションは低く、ほとんど残業することはなかったと記憶しています。
⑤ 本試験前の完成度
5月頃まではまぁまぁのレベルでしたが、直前期に実力が落ちました。
(3) 予備校の模試の結果
平成30年は大原の模試のみを受験しました。データとして残っているものだけ載せておきます。
模擬試験 | 受験日 | 点数/順位 | 解きなおし回数 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1問 | 第2問 | 第3問 | 合計 | ||||
直前対策 | 1 | 7/1 | 23点 (上位5%) |
12点 (上位38%) |
26点 (上位41%) |
61点 (上位26%) |
1回 |
2 | 7/9 | 13点 (上位35%) |
8点 (上位41%) |
12点 (上位81%) |
33点 (上位72%) |
1回 | |
全国模試 | 7/17 | 13点 (上位39%) |
7点 (上位55%) |
17点 (上位62%) |
37点 (上位61%) |
0回 | |
直前予想 | 1 | 7/22 | 8点 (上位35%) |
19点 (上位21%) |
15点 (上位82%) |
42点 (上位45%) |
0回 |
2 | 7/23 | 9点 (上位41%) |
13点 (上位38%) |
28点 (上位39%) |
50点 (上位46%) |
0回 | |
3 | 7/29 | 17点 (上位37%) |
11点 (上位78%) |
30点 (上位41%) |
58点 (上位58%) |
0回 |
(4) 本試験の結果
結果は、1回目より悪いB判定不合格でした。
この年は財務諸表論の合格率が30%超と史上最高の合格率の年であったため、かろうじて「財務諸表論」が合格でしたが、税理士試験を始めてから5年目で合格科目が「財務諸表論」と「固定資産税」の2科目のみという状態でしたので、財務諸表論の合格を見ても全く嬉しくなく、悲しさと空しい気持ちでいっぱいでした。
長い受験生活の中、この年ほど堪えたときは無かったと思います。
3平成30年(2018年)本試験
平成29年の反省を受けて、平成30年本試験に向けては色々改善して臨みました。また、この年は仕事も上手くいっておらず、一方で娘が生まれたこともあって、「育休」を取り勉強をすることにしました。
この年に簿記論と法人税法のダブル合格を果たしたことで、大きく人生が動き出しました。人生の転換期がまさにこの年の合格発表であったと今でも思っています。
(1) 当時の状況
まずは、同じように当時の状況からです。
- 学習スタイル
独学 → 経験者合格コース@大原 + 全統@TAC・LEC - 合格済み
財務諸表論・固定資産税 - 同時受験科目
法人税法(1回目)→合格 - 仕事
正社員(不動産鑑定事務所)・育休
(2) 勉強方法
① 一日の勉強スケジュール
前年の試験を終えた9月からは、簿記論と・消費税法はボーダー付近でしたので、とりあえず新しい税目「法人税法」の勉強を始めていました。育休中の12月に5年で2科目という最低の合格発表がありましたが、この育休という千載一遇のチャンスを活かそうと「簿記論」と「法人税法」のダブル受験を心に決めました。
勉強のスタンスとしては、朝4〜5時に起き、8時くらいまで3〜4時間勉強をします。その後、子供を保育園へ連れて行った帰りにカフェにより2〜3時間勉強をします。カフェから戻り、奥さんとお昼を食べた後に4時頃まで2〜3時間勉強をし、1日の勉強を終えます。なので、1日7〜9時間の勉強をしました。
土日祝日については、4月頃までは午前中のみ勉強をしていましたが、直前期に入ってからは土日も毎日同じようなペースで勉強をしていました。
② 勉強時間と配分
いつの頃からか、勉強時間を記録する意味を感じなくなったため、特に記録していません。ですが、1〜4月は200時間/月くらい、5〜8月は250時間/月くらい勉強していたと思います。
ただ、勉強時間の配分は「法人税法」が主でしたので、簿記論は次のような感じで勉強をしていたので、総勉強時間としては600時間くらいだと思います。
- 年末まで(9月~12月)
→ 0時間 - 春まで(1月~4月)
→ 1日当たり:2~3時間、合計:300時間くらい - 直前期前半(5月~6月)
→ 1日当たり:3~4時間、合計:200時間くらい - 直前期後半(7月~)
→ 1日当たり:0〜2時間、合計:100時間くらい
③ 勉強の内容
1月~2月は市販問題集を解きました。TACと大原の総合問題集を購入し、一日1問ペースで解きました。
3月になるとその年の前年の直前期の問題を解き、4月頃からは過去問を解きました。この時に注意したのは、あまり時間制限を意識しない、ということです。また、2時間で全ての大問を解くのではなく、各年の大問(第1問〜第3問)を1個ずつ解きました。
5月頃から大原の直前期の模試が始まり、TACとLECの全国模試も始まったため、隔日で模試か過去問を解くようにしました。試験問題を隔日で解いたのは、1日目に問題を解き、2日目で復習をする、というスタンスで勉強をしたためです。
7月に入ると、基本的には模試はほとんど解いているため、過去に解いた試験問題の中で点数が低かったものや時間がかかった問題を解くようにしました。
④ 勉強に当たって意識したこと
- イ.問題の結果はデータで記録を残す。
直前期は何を勉強するか?が重要だと思っていますので、苦手論点を炙り出すために、試験を解いた後は必ず「エクセル」(というよりスプレッドシート)に①解いた日、②点数、③解答時間、④問題の種類、⑤模試での順位をデータで残しました。これにより、自分がどんな問題を苦手としているのか、時間がかかるのか、あるいは安定していないかを分析するとともに、他の受験生はどんな問題を苦手としているのか?を分析しました。 - ロ.自分ノートで復習をする。
以前は問題集を何度も解いて復習をするスタイルを取っていましたが、この年から「自分ノート」を作り、自分が過去に間違った、苦手としていた論点のみ復習をするようにしました。 - ハ.模試はできるだけ早い時期に解く。
以前はできるだけ完璧な状態にしてから解くようにしていましたが、この年から完成度とは関係なく模試の用紙が届いたら即日解いていました。 - 二.満点を取ろうとしない。
その時点でわからない問題は「即切り」するように心がけました。これは本試験で物凄くいきたスキルだったと思います。
⑤ 学習教材
- 市販の総合問題集(応用)@大原・TAC
- 過年度の直前期の模擬試験@大原
- 当年度の直前ぎの模擬試験@大原
- ラストスパート模試@ネットスクール
- 全国模試@LEC・TAC
- 市販の直前予想模試
⑤ 会社との付き合い方
この年は育休を取っていたので会社からはフリーでした。
⑥ 家族との付き合い方
直前期までは朝4時に起き、夕方まで勉強をしました。それ以降は家族との団らんを楽しみました。
7月中旬頃からは、奥さんに子ども達を実家に連れて帰ってもらい、合宿のような感じで過ごしました。
(3) 予備校の模試の結果
大原の経験者コースを受講していましたので、模試は大原のみです。ただし、全国模試はTAC・LECも受験しました。
模擬試験 | 受験日 | 点数/順位 | 解きなおし回数 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1問 | 第2問 | 第3問 | 合計 | ||||
実判 | 1 | 4/30 | 21点 (上位5%) |
19点 (上位20%) |
38点 (上位17%) |
78点 (上位9%) |
1回 |
2 | 5/2 | 16点 (上位38%) |
4点 (上位88%) |
40点 (上位19%) |
60点 (上位29%) |
1回 | |
3 | 5/5 | 19点 (上位29%) |
21点 (上位27%) |
45点 (上位10%) |
85点 (上位12%) |
1回 | |
2 | 5/6 | 11点 (上位74%) |
16点 (上位38%) |
37点 (上位20%) |
61点 (上位39%) |
1回 | |
直前対策 | 1 | 6/16 | 12点 (上位34%) |
10点 (上位36%) |
41点 (上位2%) |
63点 (上位8%) |
2回 |
2 | 6/18 | 11点 (上位55%) |
11点 (上位65%) |
40点 (上位6%) |
62点 (上位21%) |
2回 | |
全国模試 | 大原 | 7/7 | 23点 (上位8%) |
21点 (上位10%) |
45点 (上位1%) |
89点 (上位1%) |
0回 |
TAC | – | 14点 (上位31%) |
18点 (上位21%) |
39点 (上位2%) |
71点 (上位4%) |
1回 | |
LEC | – | 10点 (上位22%) |
14点 (上位15%) |
31点 (上位7%) |
55点 (上位6%) |
0回 | |
直前予想 | 1 | 7/10 | 9点 (上位65%) |
6点 (上位77%) |
21点 (上位30%) |
36点 (上位47%) |
1回 |
2 | 7/11 | 18点 (上位10%) |
14点 (上位20%) |
33点 (上位10%) |
65点 (上位10%) |
2回 | |
3 | 7/12 | 23点 (上位4%) |
20点 (上位10%) |
46点 (上位1%) |
89点 (上位1%) |
0回 |
(4) 本試験の結果
結果は、法人税法と簿記論のダブル合格でした。
終わった後の感触としてはミスが結構多くて、模試の時より出来は悪かったけど多分合格しているんじゃないかなと思いました。
なお、予備校のリサーチはあまり明確に覚えていませんが、第1問と第2問はボーダー付近で、第3問は合格確実ラインの+15点くらいの出来でした。
4簿記論を振り返って
私にとって簿記論は3年目でした。過年度は目標を上位30%としていましたが、その年は上位5%を目標としていました。結果として最後の模試らへんではTACも大原も、LECも概ね上位5%以内にいました。
予備校の模試の結果でも分かりますが、合格ラインというのは団子状態ですが、合格ラインより少し上の人達のレベルは抜きん出ています。
私もこのレベルにいましたので、少々ミスをしても全然カバーできました。なので、試験では合格ギリギリよりもその上のレベルを目指すのが良いのだと思います。
合格する思考 | 経験者の勉強 | 初学者の勉強 | 受験テク | 計算用紙 | 私の試験記 |