税理士試験における独学・予備校の選び方

概要 科目選び 予備校 勉強方法 難易度 年収

ここでは、筆者の受験経験のある、簿財・法人・消費について「予備校独学」についてお話をします。

目次

科目からの予備校の考察

1. 簿記論・財務諸表論

独学 TAC 大原 LEC 通勤 ネット
初学者
経験者

簿記論と財務諸表論は、講義内容について議論がしつくされているので、基礎レベルの内容を学習するのであれば、いずれの予備校も遜色ありません。

したがって、入門講座としては受講料の安いスタディング」がおすすめでしょう。(受講料の価格破壊が起こっています。)

また、簿財に限って言えば、「ネットスクール」や「LEC」もそこそこ評判は良く、大手予備校と比べて受講料が約2/3と安いので、出費を抑えたい人は検討する余地があります。

さらに、簿財は対策本も多いですし、内容も年度によって大きく変更がありませんので、「中古の教材」や「市販のテキスト・問題集」を購入して独学、というのもありです。(実際にそういう人で合格している人がネット上でもちょこちょこいます。)

ただし、「スタディング」と「独学」を選ぶ場合は、「大原」か「TAC」の「直前対策パック」を受講しないと、本試験では実力不足になるでしょう。

とは言え、やはり王道は「TAC」か「大原」です。両校とも受講料が高いですが、王道には王道たるゆえんがあります。個人的には、簿記は大原、財務諸表論はTACが一番かなと思います。

なお「簿記論」については、かなり詳しく下記にまとめていますので、参考にしてください。

2. 法人税法

独学 TAC 大原 LEC 通勤 ネット
初学者 × ×
経験者 ×

法人税法は、「スタディング」はテキストが実力不足、「LEC」は講義とテキストがイマイチ、「ネットスクール」は良い噂がからっきしなので却下ということから、「TAC」か「大原」の2択以外ないと思います。

なお、大原は「考えさせられる問題」が多く、TACは「知識量が問われる問題」が多いという違いがありますが、法人税法では知識量の多寡がものをいう税目でもありますので、経験者はTACで極める方が良いと思います。

※ なお、経験者で勉強が進んでいる人の場合は「基本通達」や「質疑応答事例」などでより深い知識を付けることをお勧めします。

学習時に参考になるサイト

3. 消費税

独学 TAC 大原 LEC 通勤 ネット
初学者
経験者 ×

消費税は、以前と比べて理論の量も増え、理解を問われる問題が多く、計算構造も複雑になってきているため、大手予備校が無難です。

なお、お勧めは、理論に強い「TAC」ですが、計算問題は大原の方が難しく、本試験よりなので「大原」の選択もありでしょう。

とは言え、法人や相続と比べると、理論の量も少なく、計算構造も簡単なので、下記の方法もありでしょう。

  • ネットスクール → 大手の直前対策パック
  • LEC → 大手の直前対策パック
  • 独学 → 大手の直前対策パック

なお、独学は現状TAC出版の「独学予備校」一択ですが、2021年向けからは、私が作っている下記サイトもオススメです。

また「消費税法」については、かなり詳しく下記にまとめていますので、参考にしてください。

独学について

独学を選ぶ最大のメリットは出費が少なくて済むということです。

もちろん、安く済むことに越したことはありませんが、独学には当然メリットもあれば、デメリットもあります。もっと言えば、独学に向いている人もいれば、向いていない人もいます。

そこで、ここでは独学のメリット、デメリットについてお話をすると共に、独学に向いている人の特徴をお話します。

独学のメリット

先にもお伝えした通り、独学の最大のメリットは安いということですが、それ例外にも、次の理由も大きいでしょう。

  1. 講義が無いため、時間的余裕が生まれる
  2. 予備校が教える論点以外も調べることができる
  3. 簡単過ぎる問題を解く必要がない
  4. 自分のペースで勉強ができる
  5. 講義を視聴する時間を無くすことができる
  6. 自分で参考書や問題集を選ぶことができる

独学のデメリット

独学はメリットもあれば、下記のようなデメリットがあります。これらは特に初学者の場合に感じやすいでしょう。

  • 制度変更・税制改正を自分でキャッチアップしないといけない
  • 分からないところを講師に質問できない
  • 自分で勉強するペースを作らないといけない
  • 自分の相対的な実力を把握できない

独学に向いている人の特徴

独学に向いている人の特徴としては次のものがあります。

  1. 自分で勉強をする習慣がある
  2. 自分で分からない所を調べる能力がある
  3. スケジューリングする能力がある
  4. 自己分析ができる

逆に、上のような特徴が無い人の場合、独学を選ぶとほとんどの場合、途中挫折するでしょう。

さいごに

受験生の中には「独学」でやりたいと思う人がいると思います。かく言う筆者も独学で勉強をしたい派です。

ですが、独学のメリットの多くは経験者が享受し易いということをお伝えしておきます。つまり初学者が独学をする場合は、金銭面以外のメリットを享受できない可能性が高いということです。

なぜかと言うと、金銭面以外のメリットは「独学でやった方が効率的かつ有効に勉強ができる」というものがベースですが、初学者の場合は、どの論点が基礎論点で、どの論点が重要で、どの論点までを予備校生はカバーしてくるのか?などが分かりません。

また、未収科目を独学で勉強をするのはとても骨が折れます。予備校で聞くとあっさり分かる内容も、自分で市販のテキストやヤフオクなどで中古品を購入して勉強をすると、恐ろしいくらい分かりません。どこまでの内容を覚える必要があるのかも分からないため、勉強が非効率になります。

したがって、初学者の場合は予備校を使うのがほとんどの場合は有効です。


一方、経験者の場合は、独学も有効な選択となる可能性があります。

1度本格的に勉強をしている場合は、基礎知識は既に身に付いていますので、全国模試や本試験でA~B判定(40点以上)の経験者にとっては予備校の講義は半分位は簡単過ぎます

解ける問題を何度も解くのは時間の無駄です。予備校では満遍なく知識をインプットしてもらいたいという考えから、基礎系の問題が多く出題されます。

もちろん、基礎系の問題をマスターすることは大切なことですが、何度も解く必要はありません。(予備校のカリキュラムでは簡単な問題を解く回数が異常に多いため非効率なことが多いです。)

それよりも、いつもと聞かれ方が違うような問題を解いて対応力を養ったり、解く事の出来ない問題や知識があいまいな問題を探し、それを重点的に学習をする方が、経験者にとって多くの場合有効です。(もちろん難問や奇問を解けるようになる必要はありませんが。)

例えば税法科目であれば、基本通達などを見ることで新しい知識を習得することができます。本試験で未知の論点に出くわすと解けないばかりか、解答時間も無駄に消費してしまうため、知識の拡充は有効な対策になり得ます。

簿記論や財務諸表論、消費税などの科目については、「計算用紙の使い方」や「仮計算の有無」などを考えることで、解答時間を短縮することができたりすることもできます。

したがって、経験者の場合は、自分でスケジューリングをし、自分の弱点を克服するような勉強をし、過去の試験や自分自身の癖などを分析をすることで、限られた時間を有効活用することができると同時に、自分の実力を向上させることができます。


とは言え、独学は自分で自分を律することができないと続けられません。予備校に質問もできなければ、最新の情報も自分でキャッチアップしていかなければいけません。

つまり、独学が良いのか?予備校が良いのか?というのは①学習の経験値②自分の性格や特性で決まります。

自分に最適な勉強スタイルを発見するのが一番です。人によって最適なものは違いますから。

最後になりますが、是非ともお金をかけたくないという理由だけで「独学を選択」することが無いように、とお伝えしておきます。

概要 科目選び 予備校 勉強方法 難易度 年収