宅地建物取引士試験の難易度・合格率・勉強方法

2019年1月28日

ここでは、宅地建物取引士試験(宅建)の難易度、合格率、勉強方法についてお話しします。

1. 宅地建物取引士試の難易度

宅地建物取引士試験は国土交通省が実施する国家試験で、例年10月の第3日曜日に実施される四肢択一のです。試験では宅建業法と民法(権利関係)の問題を中心に、建築基準法などの行政法規や不動産に関する税金などの問題が出題されます。

不動産について馴染みのない人であれば内容は難しく、合格率も15%前後となかなか低いですが、国家試験の中では、普通レベルに位置しています。

(1) 他の試験との比較

分類資格
宅建より難しい試験行政書士、社労士
宅建と同じくらいの試験簿記1級、宅建士、中小企業診断士、ITストラテジスト
宅建より簡単な試験応用情報技術者、マンション管理士
宅建と他の試験との難易度比較表

(2) 科目単位の難易度

科目問題数問題番号難易度
民法・借地借家法等15問前後1~14やや難
行政法規・税金10問前後15-22普通~やや難
宅建業法20問前後26-45易~普通
その他5問前後46-50
科目単位の難易度

2. 宅地建物取引士試験の合格率

平成21年から平成30年までの10年間の宅建試験の受験者数、合格者数及び合格率の推移は次の通りです。

受験者は景気の回復に比例して、2010年頃から増加を続けています。

合格率については、直近4年間は15%後半で安定的に推移をしています。なお、直近10年間の平均合格率は16.1%です。

出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構HP

合格点及び合格予想点の推移

次のグラフは直近10年間の宅建試験の合格点と大手予備校が公開した合格予想点の推移です。

過去10年間で合格予想点が合格点を下回っていないのが「TAC」の予想点ですので、TACの合格予想点の最高点以上であれば、まず合格をしていると考えてよいと思います。

各予備校では合格予想点をレンジ(例えば「34点~36点」といった得点の範囲)で公開をしていますが、上記のグラフではそのレンジの最高点(上記の例で言うと36点)をプロットしています。

3. 宅地建物取引士試験の勉強方法

(1) 勉強時間

宅建試験の合格に必要な勉強時間はだいたい150時間~300時間くらいです。また、各科目にかける標準的な勉強時間は次の通りです。

科目勉強時間
民法・借地借家法等60~120時間
行政法規・税金30~60時間
宅建業法60~120時間
その他0~20時間
科目ごとの勉強時間の目安

(2) 勉強方法

宅建試験の合否は、極論を言うと次の2点にかかっています。

  • ① 得点源である「宅建業法」をどれだけ落とさずにできたか?(むしろ満点を目指す)
  • ②「民法」などの権利関係をどれだけ得点をかせげたか?

したがって、必然的に「宅建業法」と「民法等」に費やす時間が増えるということになります。

なお、上記の勉強時間を1日当たりの勉強時間に換算すると、1日1時間の勉強を続けると3ヶ月~半年くらいの期間、1日2~3時間の勉強を続けると2ヶ月~3ヶ月が目安になります。

もし、法学部出身者で既に民法の勉強をしたことがある人や不動産関連企業に勤めている人などは、理解のための勉強時間が短くなりますので、上記の勉強時間より少なく済むと思います。