不動産鑑定士の全体像

概要 予備校 難易度 年収 仕事内容 働き方 魅力

不動産鑑定士は資格保有者の数も少なく、一般的には知名度が低い資格です。

一方、超低金利を背景に、ダブついたお金がJ-REITに流れ込み、証券化業務を行う不動産鑑定業者は年々売り上げを伸ばしており、不動産鑑定士の年収も上がっています。

そんな「不動産鑑定士」の全体像を、「不動産鑑定士試験」も交えつつ、お話したいと思います。

– 目次 –

不動産鑑定士とは?

● 不動産鑑定士の概要

不動産鑑定士は、不動産に関する専門家であり、不動産関連の最高峰の資格として位置づけられています。

不動産鑑定士は、税理士や社労士のように、他の資格を保有していれば登録ができるような、いわゆる「従属系の資格」とは異なり、国家試験に合格をしないと登録をすることができない国家資格です。

そのため、不動産鑑定士は、独立系の最高峰の資格としても知られており、弁護士、公認会計士及び弁理士と並ぶ四大国家資格とされています。

一方、平成30年1月現在において、不動産鑑定士として登録されている人数は全国で8,286人(内、女性は583人)と、他の国家資格と比較してダントツに少ないため知名度は低く、金融機関や不動産関連の仕事をしている人以外からは、あまり存在を知られていないのが実情です。

● 不動産鑑定士の仕事

不動産鑑定士の業務はその名の通り不動産鑑定評価業務ですが、これを平たく言えば「不動産の価格や賃料の評価をする仕事」です。

不動産鑑定評価が必要とされる場面には様々なものがありますが、身近な所で言えば「融資の際の担保評価」や「公共用地買収の際の土地評価」、「M&Aなどの際の不動産の時価評価」などがあります。

その他にも、近年は、J-REITや私募ファンドなどの「ファンド」が保有する又は取得する不動産を証券化(流動化)する際に必要となる不動産の評価依頼が多くなっています。

また、以前と比較して少なくなってきてはいるものの、依然として国や地方自治体などの行政機関からの評価依頼も多く、その代表的なものには毎年1月1日時点の全国の土地の価格を査定するための「地価公示業務などがあります。

なお、不動産鑑定士の仕事については、下記の記事で詳しくまとめていますので、もっと知りたいと思う方は参考にしてください。

● 就職先

不動産鑑定士の就職先として多いのが「不動産鑑定士事務所」です。

不動産鑑定士事務所のほとんどが従業員数5名以下の小規模事業者ですが、最近は従業員が10名以上の中規模事務所が増えてきています。

また、不動産鑑定業界の最大手(いわゆる大手不動産鑑定士事務所)には、①日本不動産研究所、②大和不動産鑑定、③谷澤総合研究所の3つがあります。

試験合格者の実に8割以上の人が、この不動産鑑定士事務所からキャリアをスタートをします。

その後、不動産鑑定士として3年から10年を経験した後に、不動産デベロッパーや不動産会社、投資法人、金融機関などへキャリアアップします。

なお、不動産鑑定士事務所での働き方(仕事内容や勤務時間・残業など)については、下記の記事で詳しくまとめていますので、もっと知りたいと思う方は参考にしてください。

● 年収

不動産鑑定士の年収は、不動産鑑定士事務所に「勤務鑑定士」として働いた場合は600万円~1,000万円くらいが相場です。

また、他の業界に転職した場合は、業界によって差はありますが、だいたい800万円~1,200万円くらいが多いように思います。

独立した場合には、400万円からスタートし600万円~1,200万円を目指す感じです。筆者の知る限りでは、最高で2,000万円~3,000万円くらいの年収になります。

なお、不動産鑑定士の年収については、下記の記事で詳しく記載をしています。筆者が10年間不動産鑑定業界にいたこともあるため、恐らく他のサイトにある情報よりもリアルな内容だと思います。

不動産鑑定士試験について

● 試験の難易度

超難 激難 やや難 普通

不動産鑑定士試験は数多ある国家試験の中でも最難関の試験の1つです。

平均的な勉強時間は、初学者の場合で2,500時間~4,000時間くらいになります。

1日平均8時間ほど勉強をして1年間、1日平均3~4時間ほどの勉強をして1年半くらいが合格をするための学習期間の目安になると思います。

なお、ここ10年の間で合格率が大きく上昇をしていて、1次試験が30%超、2次試験が15%弱と取りやすい資格になりつつあります。

ただし、学習分量が非常に多いため、合格者予備軍に入るのが困難というのが不動産鑑定士試験の特徴と言えます。

なお、不動産鑑定士試験の難易度や合格率については、下記の記事で詳しく記載しています。

● 受験資格

無し

● 受験地

  • 短答式:札幌、宮城、東京、新潟、愛知、大阪、広島、香川、福岡、沖縄
  • 論文式:東京、大阪、福岡

● 受験料

13,000円

● 試験科目

【短答式試験-マークシート形式】
  1. 不動産に関する行政法規
  2. 不動産鑑定評価理論
【論文式試験-論述形式】
  1. 民法
  2. 経済
  3. 会計学
  4. 鑑定評価理論
  5. 鑑定評価演習

● 合格基準

  • 短答式試験・・・概ね7割
  • 論文式試験・・・概ね6割

● 科目免除(短答式)

前年又は前々年の短答式試験の合格者

● 科目免除(論文式)

  • 民法:司法試験の合格者、公認会計士試験の合格者(民法選択の場合)、法学部の教授など
  • 経済:公認会計士試験の合格者(経済学選択の場合)、経済学の教授など
  • 会計学:公認会計士試験の合格者、会計学の教授など

● 試験の日程

鑑定士試験スケジュール
1.願書申込み 2月中旬頃~3月上旬頃
2.短答式試験 5月の中旬
3.合格発表-短答 6月の下旬
4.論文式試験 8月の初旬(3日間)
5.合格発表-論文 10月の中旬

● 独学と予備校

不動産鑑定士試験については、独学は不向きです。理由は科目の難易度が高く、また市販の参考書や問題集が不動産鑑定士向けのものが皆無だからです。

したがって、不動産鑑定士試験の勉強をするに当たっては予備校を利用する必要があります。

この点については、下記の記事で詳しく説明をしていますので、参考にしてください。

● 参考

国家試験のご案内|国土交通省HP

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